回顧
お遍路
 お遍路のご利益とは~どんな形でお遍路をするのであれ~「ありがたい」と思えた時だと思う。歩いて廻ろうが、自転車、車、バス、個人、団体で廻ろうが、廻っていく中で「ありがたい」と思えた時だ。

 80歳のおばあさんがバスで廻って体が弱くて例え本堂まで上がれなくとも、もし門の所からでも手を合わせて「ありがたい」と思えば、それがご利益である。あるいは、金がある人がタクシーで廻って、掛け軸に印を押してもらっても、その時に「ありがたい」と思えばご利益である。

 まあ言ってみれば「ありがたい」と思えた数が多いほどご利益が多いのである。歩いて廻っても、バスで廻っても同じである。

 そして一番いいのは普段の生活の中でもいかに「ありがたい」と思えるかである。どんな状況であろうとも「ありがたい」と思える瞬間(時間)が多いほどよいのである。貧乏な暮らしをしていようと、その中で「ありがたい」と思えた方が、いくら金を持っていても不満だらけの生活をしているよりかはいいのである。比べてみても仕方がないけれど…。

 かつて中島先生が言っていた。宗教でのよさというか、宗教とはどんな状態でもプラス思考で考えていくこと。例え乳がんが再発して手術をしても、早く見つかってよかった。手術ができてできて良かったとプラス思考で考えを巡らしていくことである。つまりはすべてを「ありがたい」と感じることなのである。

 もちろん世の中には「ありがたい」と思えないことだってたくさんある。たとえば子供を交通事故で亡くしてしまった時、そいつをどうプラス思考に思おうか? この子は将来罪を犯す子やったのやなんておもえないし、これが自分に必要な試練と思うのも大変だ。もっと宇宙的視野で物事をとらえることができれば…とも思うけど、人間ではそれは不可能だ…。仏にでもならない限り…。

 だから自分には答えを出すことは不可能だけれども、少なくとも自分の中で「ありがたい」と思える時を増やしていきたいと思う。この冷たい世の中&東京でそんな気持ちを増やせてければ、がんばれるのではないかと思う。

 そいつがお遍路で得た教訓か?
 

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