5月5日  (30日目)
→横峰寺→石鎚(成就社) (旅館玉屋泊)
 今日は世間では子供の日だ。朝5時に起きて、まずは横峰寺へと向かう。横峰寺まで20キロ近くある。てくてく歩く。しんどいね。途中お接待で200円頂く。ありがとうございます。昨夜の教えの通り200円のうち100円は横峰寺に納めます。

 ところで昨日は光明寺の通夜堂に泊まったのだけれども、78歳のおじいさん遍路さんが永遠と説法をして下さった。ありがたいのだけれども、早く寝たかったので、9時に切り上げてもらった。

 さてどんどん歩き、山道へ到着。登山開始!あ~しんどい。こりゃしんどい、と思いながらも何とか1時間程度で到着。アクエリアスをごっくん。

 続いて星の森から石鎚のふもとまで下る。降りたけれど、寝るところなさそうなので、河口まで行くと、旅館はなんだか潰れているみたい…。時間は12時20分。さてどうする? 3時間半として4時か4時半か…? 

 登るか…? 
 登る! 

 お大師様、空海様お守りください。あ~死にそう。今日は難関や。「水が飲みたい。空海様、お水を…
」。おっと!水飲み場や!ありがて~。そこにいたおじさんが「ここがちょうど中間地点よ。」
と言ったけど、全然中間地点ではなかった。1/3地点でんがな…。登る。歩く。休むの連続…。力尽きてしまうのではないか…と思いながらも登る。でも、登っていると、上からMTB軍団が降りてきたのにはビックリした。

 「もう死ぬ。もうこりゃダメや…。ここでビバーク。」とか思いつつ必死で登る。あと少し、あと1時間、あと30分…でも、なんかふと振り返るというか、黙ってみれば、ハアハア言ったり、焦ったり、苦しんでいるのは自分だけで、耳を澄ませば、虫というか鳥の鳴き声が時々聞こえるだけで、山は木々は静かに何も言わずにそこにいる…。自分だけだ、何かブツブツ言っているのは…。

 再び登る。苦しんで、苦しんで、少しは強くなれるだろうか?「苦を苦と思わず、難を難と思わず道を切り拓く。」自分は今何百年も前からある道をただ通っているだけだけど、せめていつか心の道を切り拓くことができれば…。

 16時。遂に到着!やった~!けれど成就社の周りはすごいぞ!店だらけや。とりあえずお参りをしてから、「ちょっと野宿できる場所ある?」と聞きながら、とりあえずお店で、何か食べるものあるかと思えば、うわっ!いっぱいあるやん。「おでん定食、ご飯大盛りで!」。「あ~うまい!」

 「ここに泊まったらいくら?」。素泊まり4000円。3000円にしてくれるって!お風呂に入れる。布団で寝れる。うわっ、どうしよう…。

 「泊めてくれ!」。

 本日お泊まり~。ご飯1000円もともと食べるし…。今日がんばったし…。なんだか1400メートルぐらい登ってきている。800メートルぐらいかと思ったら…。すごすぎる!! よく頑張った!!

 少しは強くなったかな? 少しは根性ついたかな? 今度は仕事がんばれるかな? それが一番心配や…。この男はやってけるだろうか? うまく仕事と家に転換できるかな? そいつができないと自分は腐ってしまうよ。それだけは嫌だ。最福寺に行ったら、素直に話してみよう。そのことを…。自分のこの弱い心を、弱っちょろい自分を…。がんばれる自分となりたい!!


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