5月6日  (31日目)
→石鎚山頂→ロープウェイ口 (旅館京屋泊)
 アルファ米五目御飯を食べ、いざ石鎚山頂を目指す。6:30分発登っていく。ちょっとしんどい。昨日の疲れかな? 歩いて登って、歩いて登って、山頂はちょっと雲に覆われ始めているけれど、とにかく山頂で般若心経を唱えることができれば…と登っていく。

 ちょい間違えて試しの鎖方へ行ってしまうことがあったけれど、順調に歩く。そして1の鎖にやって来る。33m。ちょっと靴の底がもとないけれど登る。でっかい鎖やなぁ。でも旅館に荷物を結構残してきたから楽だ。続いて2の鎖65mくらい。うひゃ~、垂直降下というか、断崖絶壁ちゅう感じや。
しんどい…。こりゃ体力的に…ということで3の鎖はあきらめる。迂回路を行く。

 約2時間で山頂に到着。いや~寒い。何も見えない。けれどもありがたい! ありがたい。まず般若心経1回。ちょい厳しい状況だが、続いて天狗岳に行く。みぞれが降ってきた。風ピュ~ピュ~の中断崖絶壁を渡る。何とか到着。寒い。でも般若心経を唱えよう。あ~満足や。天気は悪いけれど、ここまで来て心経を唱えることができて満足や。

 戻って再び神社前で心経を唱え大満足で降りる。トータル3時間半~4時間かかる。神社でお話をして、宿に戻り、ご飯を食べ、宿を予約して、西之川を降りる。急斜面だ!ゆっくり降りよう。

 余計な事を考えていたら、ほらこけた。足悪いんだから!で、降りる。降りる。降りる。途中倒木で道がふさがれており、通れないので、倒木群を迂回する。ズルズルーと降りる。うわっ、道が分からんぞ!うわっ、とにかくこの杉の道を降りよう。ずるずる滑りながら降りる。うわっ!道に迷った。どうしよう。やばい!こりゃまじで分からん。やばし!

「お~い」「お~い」
と読んでも返事がない。誰もおらんもんな。とにかく降りよう。すべりながら…。まじや。こりゃ、どうしよう…。

 おっ、なんかひもがある。道か? 
 行ってみるが、道じゃない。

 どうしよう…本当にさっぱり分からない。おやっ、沢や。ひもがある。誰かが入ったことがあるのや。とにかくこの沢を下ろう。「うわ~っ。落ちる~!」ドボン!水につかる。ひえ~。

 地図とコンパスや。ここどこやろ? 分からないけど、多分このあたりで、この沢を下れば何とかなりそうや。コンパスで北はこっちやからこの方向で…。

 ズルズル落ちながら沢を下る。
「お~い」
返事なし…。もうこの沢を下るしかない…。ここで死ぬか? とにかくこの沢を下るべし! 

 苦労して、心細いけど、降りていくと橋を発見!登山道や!よかった!さあこの岩をどうやって降りるか。足元に注意して…降りる。何とか登山道にたどり着き、西之川に降りる。

 あ~よかった。助かった!これも仏様、お大師様のお陰や。ありがとうございます。で、何とか宿にも到着し、ありがとうございます。まだ早いけど、精神的にもクタクタになったので、頼み込んで2時前に宿に入る。

 あ~よかった。コンパスのお陰や。地図持っていてよかった…。もうこんな経験はいらんわ。あのタスマニア以来や。あ~これで道を切り拓けたのだろうか?それにしても一時は本当にどうなることかと思った…。本当によかった。ありがとうございます。

 今日はすごい日やった。もうゆっくりさせてください。しばらく眠らせてください。本当に…。また明日からがんばります。はい、道なき道を行きました。怖かった!!無事にこうして生きて宿にいられることが幸せです。ありがとうございます。


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