5月11日  (36日目)
→弥谷寺 曼茶羅寺→出釈寺→捨身ヶ獄禅定→甲山寺→善通寺(宿坊泊)
 昨日はお稲荷様の軒下で、雨にもあたらずに寝ることができて良かった。寒くもなかった。ただ足(太ももから下)が痛い。

 今日は朝から雨。最初は嫌やと思いながらも、途中から「これも修行や。雨が嫌だと思うのは仕事がちょっとしたことで嫌だと思うのと同じことだ。」。また「これまでずっとうまいこと雨から逃れてきたから、雨を余計に嫌だと思う甘えの心や」。と思いなおし、「雨も自分にとってよい修行である」ととらえて歩くことにする。

 まずは弥谷寺へ。雨の中たくさんの階段を上る。たくさんでもないか、今の自分にとっては…。迷いつつも本堂に到着し、お経を唱える。今度は大師堂へ向かう。雨の中のお参りは大変だ。それから下って行き、茶屋でお茶をごちそうになる。
「荷物は一緒に持って上がることにしています。」ことを伝えると、
「ええ心がけや。」とのこと。また、「兄ちゃんは根性がある。」とも言われたけれど…、

今の自分は好きな事には根性があるけれど、嫌いな事には半端なろくでなしです…。でもがんばります!

 再び歩く。途中お腹も減ってきたので、ラーメン屋に入る。入って荷物を下ろした途端に目の前の国道で車とトラックがクラッシュ!「うひゃ~」危ない。幸いけが人はいなかったようで、不幸中の幸いや。でも警察がなかなか来ない。やっぱ人身でないからな…。コーヒーを接待していただき、ごちそうさまでした。

 三度歩く。曼荼羅寺、出釈寺を訪れ、奥の院捨身禅定へ行く。伝説ではここで真魚(空海)が身を投げ、お釈迦さまがそれを受け止めたとある。自分にはそんな勇気もなんもない。今の自分は何の生産性もなくて、100円の価値さえない男だけれども…、100円玉に自分を託し、今の自分を投げた。今の自分を捨てて新しい自分に転身するために…。

 その後甲山寺を訪れてから、いよいよ善通寺へ。空海さんの生まれた地へと!空海さんようやっと来ましたで、生まれ故郷に!お寺も大きいわ。

 しっかりお参りをして、本日は善通寺の宿坊に泊まることにする。空海さんの生まれた地に泊らせていただきます。本当は善根宿かどこかに泊まろうと思ったけれど、今日は宿泊とします。ゆっくりと考えてみたいし…。

 善通寺で欲しかった坊さんマスコット(キーホルダー)を買った。彼女が新しい3人目の連れということで、また明日から旅をしよう!空海さんと自分とおみっちゃんと3人で明日から旅をしよう。旅も残り少なくなりつつあるけれど、1歩1歩を大切に&自分の心の曇りを少しでも取り除くことを目指して歩いていこう。

 さてひとつ決めた。これまでお接待をいろいろ受け、お金をくれる人もたくさんいたけれど、自分はこれまでくれた(これからくれる)お金で数珠を買うことにした(プラス自分の1000円で。)。それでもって最福寺へ行こう。もちろんその数珠にはお金をくれた人だけでなく、多くのいろいろな人からのお接待や施しを受けたものが含まれる。それでもってそれを自分の宝として、その数珠でもって祈りをささげよう。

 さて自分がいかほどの人間となれるか!それが自分の価値か?


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